【実録】保育園の父母会、廃止への険しい道のり

父母会白書 ワーママ
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保育園父母会保護者会)って知っていますか?
園選びの時に見逃しがちですか、この組織があるか否かで園ママライフが大きく変わります。

ここでは世にも恐ろしい父母会のお話と、父母会の廃止(縮小)までの道のりをまとめました。

そして転勤族の方!
大変な役員を経験したにも関わらず、転勤により悲劇のリセットを経験した人はいませんか?私がまさにそれです。子ども二人とも役員したのにまさかのリセットでした(涙)。

2021.09 追記

廃止活動をしたのは2018年~2019年のお話なのですが、その時点では廃止に至らず、活動内容の大幅な縮小で終わりました。しかしその後、2021年に父母会は解散しました。廃止へ奔走した身としては嬉しい限り。

この記事の内容

・40年の伝統ある父母会、活動内容と運営方法とは?
・父母会見直しの年に事務局になってしまった悲劇!
・伝統を変えることの大変さ、根強い保守派の存在。
・父母会廃止→縮小までの道のり。
・まさかの転勤リセット!

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保育園の父母会とは?

保育園

父母会の定義。

その名の通り、父と母の会です。父母の会、あるいは保護者会という名前で呼ばれている園もあります。

小学校のPTAと違って、T=ティーチャー、すなわち先生が入っていません。
我が子が在籍していた某県の市立保育園は「園とは独立した組織」と謳っていました。
父母会の会合こそ園を借りて実施されていましたが、活動内容に関しては園が絡むことがほとんどありません。

以下、在籍していた公立園での父母会の話を中心に書きます。

父母会の役員。

160名規模の園でしたが、役員は総当たりで、卒園までに必ずこども1人につき1回は経験することになっていました。

役員の選出方法が、物議を醸していました。

ここが変だよ、父母の会
  • 低学年ほど役員の負担が軽い。
  • 4月の保護者会に不参加だと、役員を免れることが出来る。
  • 最後まで役員をしないと、卒対に選出される。

低学年ほど役員の負担が軽い。

0歳だと学年での茶話会を開催するだけ、他の行事ごとでは軽いお手伝いのみでした。

1歳、2歳と年齢が進むにつれ、役員の負担が重くなり、一番大変なのが年中の親です。年中の役員の中から会長を選出、年中の役員全員が父母会を取りまとめる事務局になります。

こんな状況だとどんなことが起こるか?

・役員選出時、低年齢児は立候補が乱立し、高年齢児は押し付け合いになる。
・途中入園した世帯は圧倒的に不利

0歳、1歳の役員は立候補が多く、すぐに決まります。特に上の子がいる人は、低年齢の方が負担が軽いことを知っているので必ず立候補します。

にもく
にもく

低年齢の役員はほぼ二人目以降の母親で占められている。

逆に年中、年長の親は押し付け合いです。立候補が無いので、役員未経験者だけで集まり、じゃんけんで決定します。

この構造がストレスでしかない。

4月の保護者会に不参加だと、役員を免れることが出来る。

4月の保護者会で、次の役員を決めます。不参加の場合は除外されます。

しかし年長まで役員をしていない方は「卒業対策委員になる」と決められているため、最後まで逃げることはできません。

しかし、ここで重要なポイントが!

一番大変なのは「年中の親」です。どうしても年中で役員がしたくない場合、保護者会を欠席すれば年中の役員は免れられるというからくり!

なんて恐ろしいのでしょうか…。

最後まで役員をしないと、卒対に選出される。

年長まで一度も役員をしていない方は「卒業対策委員」に任命されてしまいます。これは何をするかと言うと、卒業アルバムの作成と、謝恩会の企画です。

・役を逃れて来た人たちの集まりで組織するので、誰もイニシアチブを取らずにうまく進まない。
保護者主導でアルバムを作るので、その年によって出来に差がある

アルバムは後に残るものなのに、嫌々やる方に押し付けるのです。

実録、父母会見直し活動!

見直し活動

長男が年中の時、私はじゃんけんに負けて父母会の役員になりました。年中の役員は、父母会を取り仕切る事務局になります。

前会長による問題提起。

前年の会長をした方からこんな問題提起が出されました。

前会長
前会長

父母会はあまりにも大変すぎる。無くしてはどうか?

実は、近隣の公立保育園でも父母会が無くなったそうで、父母会廃止論に一気に傾きました。

第一回の父母会委員会は紛糾しました。

反対派
反対派

父母会無くすなんてどういうことだ!

前年度の会長は、経験したからこその強い思いで提案したのだと思います。

しかし猛反対する方が何名もいて、総攻撃を受けました。

前会長<br>夫人
前会長
夫人

いきなり無くすわけではない。
今年は見直しの年にしてはどうか?

前年度会長の奥さんが、年長でも父母会役員となり「今年は父母会見直しの年にしましょう」という案が提案されました。

ここまででも白熱したやり取りでしたが、まだ続きます。

見直しの年にするため、通常の年に行っていたイベントを無くしたいと提案したら、

通常通り活動しながら見直しもしろ!

という意見が出ました。

その年たまたま役員になった保護者はたまったものではありません。元々、役員なんてしたくない上に、通常とは違うこともしなきゃならない。

それでまず「見直しの年にしてよいか、そのためにイベントを飛ばして良いか」のアンケートを実施することになりました。

にもく
にもく

早くも暗雲立ち込めている…。

見直し活動スタート。

委員会は紛糾したものの、アンケートを取ったら
「父母会縮小化、または廃止に賛成です!」
という意見が多く、大型イベントは中止して1年間見直しをする年になりました。

ブラック企業顔負け、会長の過酷な仕事内容。

年中の役員(事務局)の中から、じゃんけんで負けた人が会長になりました(私は免れました)。

この会長職が本当にブラック企業顔負けの仕事量です。会長のみに脈々と受け継がれているノートがあり、そこに会長がするべき作業が書かれていたのですが、ボランティアがやる内容とは思えない量でした。

会長のお仕事
  • すべてのイベントの仕切り
  • 入退園の管理と名簿更新
  • 園との交渉
  • 委員会のレジュメ作成
  • 委員会の司会進行

委員会やイベントの前に、園と交渉してホールを借りる手続きや、入退園があった場合の名簿の管理などが事務局の役目です。会長は常にその先頭に立って仕切る必要がある。

にもく
にもく

ただじゃんけんに負けただけで、ここまでの業務を強制的にさせられるの…?

父母会廃止に向けて、アンケート作り。

主に会長がメインとなり、まずアンケートの草案を作りました。

・父母会を存続させるか否か?
・存続の場合、活動内容の見直しをするか否か?
・縮小や廃止の場合、会費・繰越金をどうするか?

草案を委員会で発表し、他の学年の役員に見せて意見を募るのですが、これがまとまらない。

必ず反対の意見を出す方がいる。そして言いたいこと言うだけ言って帰るのです。

事務局は指摘された内容を盛り込んで新たなアンケート草案を作らねばなりませんでした。
途中で一体私は何をしているんだ?と我に返る瞬間が何度もありました。

いろんな意見があるのは当然です。でも、父母会をやりたい方っているんだなぁと新鮮な驚きでした。

にもく
にもく

無くなったらラッキー、て人ばかりじゃない。

父母会の主な活動内容。

父母会は約40年の歴史がありました。主な活動内容は以下の通り。

活動内容
  • 茶話会の開催
  • 園へのアンケート&懇談会開催
  • 人形劇招致
  • お祭り開催

茶話会:
各学年で主催するので、例年のやり方を踏襲していればそこまで大きな負担ではありません。ただ高学年になると人数が多くなるため、会場を押さえるのに苦労します。

園へのアンケート&懇談会:
アンケートを父母会主導で実施し、園長先生に回答頂き、レポートにまとめるというもの。
また園長先生が意見に対して保護者に回答する懇談会を開きます。アンケートや懇談会で出た意見すべてをレポートするので、まとめ役の方は骨が折れる作業でした。

・集計方法に工夫が無いのに、そのやり方に誰も意見を出さない。

改善活動が無いのです。最初にやったやり方を脈々と受け継ぐだけ。

人形劇招致:
外部団体を園に招いて開催されます。父母会役員は予約してお金を支払いますが、団体さえ確保出来ていればそこまで大きな負担ではありません。しかし、前年度まで頼んでいた団体が活動休止になり、新たな団体を探すのに苦労していました。

・毎年同じ団体にお願い出来ない場合、ツテが無いと途端に詰む。

お祭り:
父母会最大のイベントで、これがものすごく大変。

各学年、それぞれ役員が出し物を考えます。

と言いつつ、毎年学年によって内容は固定していました。0歳は受付、1歳はくじ、2歳はゲーム…と言った具合です。

新たな出し物にしてもいいのですが、そうすると企画から立案まで一からやらなければならなくなります。昨年と同じものだと制作物や、ノウハウを前年度役員から引き継げるので楽ちんなんです。だから結局毎年同じ出し物になってしまうという負の連鎖

一番大変なのが年中役員によるホール全体を使った迷路です。前年の役員の話では、3ヶ月以上前からコツコツと準備する必要があるとのこと。段ボール70枚を使って、巨大な迷路を作るのです。
しかも園とは別の活動なので、園のホールに少しずつ持ち込むことはできず、当日一度に持ち込む必要がありました。

いや、無理。

と思いました。

・迷路は3ヶ月も制作期間がかかる。
・70枚もの段ボールを一体どこで保管すれば良いのか?
・毎年同じ出し物なので、参加する側もやる側も飽きてくる。

当日までの準備に膨大な時間がかかることはもちろん、当日の搬入とセッティングにも時間がかかります。役員だけでは手が足りないので、お手伝いをお願いしていました。

にもく
にもく

人望が左右する…。転勤妻には難易度高し。

アンケートの反響

辛辣なご意見がいっぱい。

事務局である我々はただアンケートを実施しただけなのに、アンケートに辛辣なことを書く人がいました。非常に強い語気で書かれているのです。

今まで参加しておきながら、自分で準備するのは嫌だ、というのは子供っぽい意見だと思う

お祭り継続派

そんなに大変、大変というならはやくすべてなくせばいいんじゃないですか?廃止の意見が過半数をこえるまでアンケートを続けるのですか?

父母会存続派

こんなことで無理と言っていたら小学校のPTAなんて務まらない!!

役員経験者

などなど。色ペンで、記入欄を大きくはみ出してたくさん書かれている方もいました。

「よく分からない」ままに適当に考えて、答えを出してしまうのは非常に無責任だと思います。少なくとも今年の役員の方々は活動を理解した上で検討しているのでしょうか?単純に「大変だから、やらないことにしました」というのはおそまつだと思います。(以下略)

事務局に対する辛辣な意見

過激意見は、事務局、とりわけ会長へと向けられます。

事務局である我々が非難されるいわれはありません。ただ粛々と作業にあたっているだけなのです。

会長
会長

たまたま会長になっただけなのに…。

過酷を極める現場。

父母会廃止・縮小化へ向けた、複数回のアンケート実施はとても大変でした。

  • アンケートの草案、意見まとめ
  • アンケートの実施
  • アンケートの集計と報告

アンケートの草案にしても、実施にしても、事務局(年中の役員4人)が負いました。他の学年の役員は委員会で我々に意見するだけです。

アンケートの実施にしろ、告知にしろ、園の許可がいるのでそのたびに園長先生に伺いを立てます。

いつからいつまでこの紙を掲示したい、と許可を得て、掲示物を作成し、さらにメールで各学年の委員に知らせます。各学年の委員は自分の学年の保護者にメールで伝えます。

外で働いて、子育てするだけでもいっぱいいっぱいなのに、やることが多過ぎる。

委員会のたびに全て議事録を取りました。

後から文句を言う方、また前回とは違った意見を言う方がいたからです。

誰がいつ、何を言って、どうしてこういう結果になったのか?
を議事として残しておく必要がありました。

父母会にはPCなんてありませんので、自宅からPCを持ち込み、委員会のたびに議事を取りました(仕事以上に熱くなりました)。

1つのアンケートの集計をまとめるだけでだいたい4時間かかります。子どもたちが寝てから作業をこなしました。

にもく
にもく

何が楽しくて夜中に作業を…。

父母会について、私の意見。

無くなっても全く問題なしと考えています。

まず、貴重な休日を父母会の活動にあてたくありません。

委員会とイベントで、役員は年に8回~9回、土曜日が潰れます。私は委員会がある日は夫に子どもたちを預けて参加していました。

子どもたちのためと謳いながら、母親である私はなぜ休日に子どもたちと離れねばならないのだろう?

とすごく疑問に思いました。

夫婦とも土曜日が仕事の世帯は、父母会のために休みを取るのが大変でしょう。

次に、負担が大きい割に内容が大したことが無く、一部の世帯だけが楽しんでいるように感じました。

特に最大イベントのお祭りは、土曜日に開催するので参加しない家庭は一度も参加しません。我が家も子供を連れて行ったことはありません。

所詮素人が開催するお祭りです。わざわざ休みの日に足を運ぶほどのクオリティーだとは思えなかったのです。3ヶ月を要する迷路ですらも(個人的な感想です)。

そして土曜日は習い事をしているお子さんも多いです。

唯一、園へのアンケートは意味があるかな?と思いました。

廃止、縮小派の意見

父母会と言っても、完全に先生がノータッチではうまくいくはずがない。

幼稚園教諭の意見

途中入園者が不利になるようなルールってどうなの?年少以上で入園したら大変というのは納得できない。

途中入園のママ

前例主義でずっと続いて来た父母会の活動ですが、よくぞ見直しを提起して下さったと思います!

廃止派の方

一番上の、幼稚園教諭の方の意見ですが、これにはすごく納得です。

先生が忙しいのは分かるのですが、親は所詮素人です。そして毎年そのメンバーは変わります。親の間に入って、先生がサポートしてくれないと良い活動はできないと感じました。

見直し結果やいかに?

結果的に、父母会は継続、ただしその内容は大幅に縮小されました。

・茶話会
・アンケート

上記2つを残し、他は廃止となりました。
会費も半額になりました。

アンケート集計は各学年の集計を学年ごとに行い、データでアンケート担当の役員に渡す、となりました(それまでは全学年をアンケート担当の役員が行っていた)。

いろんなツール使えばオンラインでも出来ますよ、という意見も出たものの、スキルに差があるので導入見送りです。

また役員選出方法に関して、立候補者が無ければ欠席者も含めてのくじ引きとなりました。

見直し結果まとめ

・大幅に活動内容を縮小(茶話会・アンケートのみ)
・会費は半額に減額
・アンケート集計のやり方は、学年ごとでまとめ、データを渡す方式へ変更
・役員選出方法は、欠席者を含めて全員で行う

しかし!!話はこれでは終わりません。後日談があります。廃止活動をしたのは2018年~2019年のお話なのですが、その時点では廃止に至りませんでした。しかしその後、2021年に父母会は解散しました。廃止へ奔走した身としては嬉しい限り。

まさかの転勤リセット!

子ども二人ともの役員を経験し、見直し活動もゴールが見えて来たところで転勤になりました。

新しい園にも父母会が存在していると知った時の落胆たるや、白目になりそうでした。
長男も次男も役員経験しているのにまさかのリセットです

しかし新しい園では、こども園のせいか役員は1号認定(教育利用)の方がメインとなってやってくれます。

役員の選出方法も異なります。前年度の役員が次年度の役員を推薦する形で決まるのです。立候補を募るのは形だけで、基本的には前年度の役員が次の方を見つけるとのこと。すなわち、転勤族の妻は最後まで推薦されない可能性が高いのです。

これは小さな町だからこそできる運営スタイルかも知れません。
パパの参加率も高いですし、園も父母会の活動に積極的に介入しています。

にもく
にもく

気のせいか、イヤイヤやっている方を見かけないなぁ…

終わりに

1年間、父母会の活動に奔走した私ですが、任期をまっとうせずに転勤となりました。

きっと小学校のPTAでも同じことが起こるのだろうと予想しています。

マイナンバーカードにPTA役員経験有無も記録してくれまいか?と真剣に思うこの頃です。

以上、保育園の父母会のお話でした。

コメント

  1. クルミ より:

    初めまして。
    うちの保育園でも保護者会の縮小もしくは廃止の話が出ています。
    そこで、アンケートはどのような内容で取られたのかお伺いできればな、と思い、コメントさせて頂きました。
    ぶしつけなお願いで申し訳ございません。
    よろしくお願いします。

    • にもく より:

      クルミ様、お問い合わせありがとうございます。

      他の方の参考にもなるので、こちらに簡単に書きます。

      アンケートですが複数回に分けて実施しました。
      1回目のアンケートは見直し活動するにあたってのアンケートでした。
      【例】
      見直し活動するために、秋のお祭りを中止して良いか?
      賛成・反対

      アンケートの結果、お祭り無しでOKになったので、お祭り以外の行事をしつつ、見直し活動開始となりました。

      2回目のアンケートで各イベントの継続・廃止、理由や意見を書いてもらいました。
      【例】
      ・茶話会について
      継続・廃止
      理由またはご意見をご記入ください。
      (           )

      半数以上の世帯がアンケート提出すれば決定すると先に委員会で決めました。
      ですので期日になっても回収率が半分を下回った場合は期日を伸ばしました。

      他にも質問あれば何なりと。
      またやり取りが見えない方が良ければ、頂いているEメール宛に連絡しますので遠慮なくどうぞ。

  2. いち より:

    はじめまして

    「保育所 保護者会なし」でググってきました。とても面白い記事でした。

    来年度、保育所の役員(会計)に見事、当選してしまい、前年踏襲でガマンするかと、思っていたら、引継であまりのクソ組織に怒りがわいてきました。

    廃止までは行かずとも、規模縮小(イベント削減)の方針で役員会に図ってみます。

    https://twitter.com/ichi_bigfield/status/1500839299448995840?s=19

    • にもく より:

      いち様
      コメントありがとうございます。Twitterも拝見しました。
      くじで役が当たるのですね。

      記事に登場している園も、会長に脈々と受け継がれている鞄(リュックサック)があり、その中に一体いつのだろうか?という大昔の名簿などが入っていました。
      いつ廃棄するかが決まっておらず、ただただ受け継がれていたようです。会長の仕事を記した手書き(!)のノートも出てきました。

      我が家は転勤族なので今3か所目の保育園に下の子が入園していますが、企業型の園で保護者会はありません。
      園長先生によると「PTAってあるのですか?」って問い合わせが多いそうです。
      保護者会、父母会のありなしも園選びの基準になっていると言うことですよね。

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