「転妻 キャリア」と調べると「正社員 続けられる?」というワードが出てきます。私はフルリモートで正社員の仕事を続けながら、夫の転勤に帯同しています。
コロナ禍でテレワークを導入する会社も増えている中、私のような働き方で転勤帯同する女性も増えて行くと思います。
テレワークもあるんだし、やろうと思えばできるんじゃないの?
こんな外からの意見には
「簡単に言ってくれるじゃねぇーか!ばっきゃろー」と言いたいです。
フルリモート正社員?それなら続けられそう
そう思うプレ転妻さんがいるかも知れません。しかし簡単な話では全くなく。夫婦のみの世帯ならいざ知らず、子どもを持つとしたらいばらの道というしかありません。
転妻正社員の立場から、リアルな「共働き×子持ち×転勤族」の姿をここに書きます。
ここが大変、転妻正社員!てんつま正社員あるある~。
昨今は働き方改革で、仕事を持つ転妻さんも増えました。私以外にも正社員を続けている人がいます。でもまったく簡単じゃございません(断言)。
保育園の転園で詰む。
いくら雇用が維持されていても、子の所属先が決まらないことには仕事は続けられません。
実際2019年4月の転勤時に、下の子が入園できず1年間待機になりました(→ 【転勤族ワーママ】転勤で保育園に入れない!!一時保育でしのいだ一年間。 )。一時保育でしのぎましたが、これは会社の大いなる理解と、テレワークできる職種だったことが大きいです。
看護師とか保育士とか強い資格があっても、子の保育園入園が叶わず、正規職をあきらめている人は多いのではないでしょうか。
あとですね、保育園には空きがあっても即時入園できるとは限りません。
都会だと入園は月初(毎月1日)と決まっていて、その月ごとに申請締め切りが設定されています。転勤辞令が1か月前に出たとすると、入園したい日の申請はすでに締め切られた後になっています。
まさに上記の例に該当して、保育園に空きがあるのに申請締め切りの関係で1か月間、子どもは待機になりました。(→【転妻正社員が語る】遠方の保育園へ申請する方法。管外申請(広域入所)とは?)
子の病気時に頼れる人なし。
これは転勤族に限らない話ですが、共働きで双方の実家が遠方だと、子の病気時の対応は夫婦で解決する必要があります。
病児保育や病児シッターなどもありますが、手配からの事前準備が大変で、祖父母を頼るのと同列には語れません。私は病後児保育室は大いに活用しましたが、その当時のことを思い出すと大変で大変で大変で、言葉で語りつくせぬ想いがこみあげてきます(→【共働き】病後児保育ってなぁに?利用方法と感想。)。
そして田舎に転勤になると、リソースがないので利用できません。制度も外注業者も存在しないのです。
転勤族はかかりつけ医探しも大変です。地域に溶け込んで、うまい具合に情報聞き出すだけのコミュニケーション力が試されます。
夫は激務で戦力外。そもそも単身赴任だゼ!
転勤族の夫って、激務じゃありませんか?Twitterでも、リアルな転妻仲間でも、旦那さんが朝早く、夜遅いという家庭を見かけます。我が夫は激務じゃありませんが、レアケースだと感じます。
そして出張族の夫も多くないですか?転勤で来ているのに出張が多くて、家にいない夫。さらには夫が単身赴任というパターンもあります。
子どもがいる場合、夫が不在がちな家庭で妻が正社員を続けるのは厳しいです。仕事に加え、家事育児の負担が一人に集中してしまいます。
最後に飲み会文化です。転勤がある会社は歓送迎会が多いです。半年ごとに転勤するシーズンが到来し、そのたびになんだかんだと理由つけて飲み会が実施されます。早く帰ってきなさいよって思います。
どうすれば正社員を続けられるのか?
正社員を続けるにはどうすればいいのか、私なりの見解です。
夫よ、お前がキーマンだ!
夫の存在抜きに、妻の就業は語れません。
夫が家庭を向いてくれる人なのか、子の世話を主体的にしてくれるか、妻の仕事に理解があるか。そして実際には(労働時間の問題で)無理でも、夫に夫婦二人三脚でやっていく気持ちがあるか。これが転勤族の妻が正社員を続けられるか否かの分かれ道だと思います。
私が帯同しながら正社員を続けられているのは、
・テレワークできる職種であること
・会社に理解があること
に加え、
・夫の家事育児への参加率が高いこと
が大きいです。
大半の家事育児を一人で負担していたなら、もう仕事は辞めていたかもしれません。特に子どもが生まれてからの5年間は、夫の家庭への参加は不可欠だったと思います。
感覚的ですが我が家の家事育児割合を下記に示します。
夫:私
【育児】
保育園送迎 9:1
平日の育児 5:5
休日の育児 9:1
病児対応 3:7
行事対応 5:5
【家事】
料理 3:7
食材、日用品調達 1:9
洗濯 5:5
掃除 1:9
家計管理 0:10
裁縫 10:0
保育園の書類書きや手続きは私がやりますが、普段の子との関わりは夫の方が多いです。私が夕飯を作っている間、夫が子どもの学習の世話をしますし、お風呂も夫が担当です。
夫は最初から家事をする男性だったわけではありません。夫の実家は典型的な専業主婦がいる家庭で、義母が一人で家事をしています。結婚当初は私より先に帰宅しても、夕飯の準備をするでもなく、洗濯ものを取り込むでもなく、一人で先に風呂に入っているような人でした。
先に帰宅しているなら窓を開けて換気くらいしたらどう?
こんな嫌味を言った覚えがあります。そもそも私が正社員になるとは思っていなかった、むしろ専業主婦になると考えていたタイプなので、結婚後に自分も家事をしなきゃいけないと思っていなかったのだと思います。共働きを続ける中で、徐々に家事参加率が高くなりました。
育児に関してはお父さん教の宣教師として、上の子が生まれたその日から布教に努めた甲斐があったのか、子どもがお父さんっ子に育ったので育児参加率は初期から高いです。子どもたちは夫がいたら100%夫の方へ行きます。お母さんじゃないと嫌!は赤ちゃん時代からありません。
我が家の場合、夫が激務ではないので、家事育児の参加が可能でした。そして新婚当初から私が正社員だったことも大きいです。専業主婦やパートだと、私も夫に家事参加を求めないし、夫にもやる気が芽生えなかった可能性があります。
仕事は諦めずにとりあえず応募する。
正社員の仕事の獲得の話ですが、
転勤族だし、正社員は無理だわ。
こう思った瞬間から正社員は続けられません。
・応募する。
・受かったら働く。
・可能な限り続ける。
これしかないです。
正社員を続けたいのなら、まず正社員になる。転勤で退職となったら、それはそれで仕方がない。長らく辞令が出ないこともあれば、夫の転勤先によっては単身赴任を選ぶことになるかもしれない。またはテレワークが許されるかもしれない。
ということで、ダメ元で正社員になっておく、が正解です。
私はずっと仕事が続けられるとは思っていなくて、転勤になったら辞めて、次の土地でまた仕事を見つけようと思っていました。非正規の仕事になってもいいけど、どの土地に行ってもとりあえず正社員に応募するつもりでいました。
結果的にはテレワークが認められたので独身時代に努めていた会社よりも長く就業しています。人生は何が起こるかわかりません。
終わりに。
転勤族の妻本人が、キャリアについてあれこれ悩むのは仕方ないこと。しかし外野の意見に左右されないで欲しいです。特に「看護師ならどこでも働けるじゃない」「テレワで仕事すれば?」なんて、当事者じゃない人の意見は聞くに値しません。バカタレと思っておけばいいのです。
私は独身時代に1回転職しており、結婚で2社目を辞めたので、今の会社は3社目です。今の会社には感謝していますが、この会社にずっといるつもりでいるかと言えばそんなこともなく、他にやりたい仕事や入りたい会社が見つかったら転職しようと思っています。
人生の岐路に立った時、ベストを選択するのは難しいです。何がベストかなんて分かるはずがないからです。選ばなかった方の道のことは語れません。だから私は今よりもベターを探そうと思っています。もしキャリアのことで悩む転妻さんがいるなら、正社員は続けられたらラッキー♪くらいの精神で、あきらめずに応募して欲しいです。
以上、転勤族の妻が正社員を続けることは可能?共働き×子持ち×転勤族のリアルなお話でした。
コメント
はじめまして。とても勇気をいただいたので、コメントさせていただきます。
現在遠距離恋愛中の彼氏から、結婚して転勤についてきてほしいといわれ、自分のキャリアを考えていました。
私は将来もお仕事を続けていきたいと考えて、「フルリモート正社員 転勤族 妻」みたいな内容を検索しては、自分にできるのかな?と落ち込み、自分のキャリアをとるか、彼氏と別れるか、どちらかしか選択肢はないと感じていました。
そんな中、にもくさんのこの記事を発見しました。この記事ほど、具体的な苦労、体験が書かれた記事は今までになく、転勤族の妻になりながらお仕事をするのは本当にいばらの道だということが理解できました。また、それとともに可能な限り正社員として働くこと、パートナーと家庭運営の協力体制を構築することが大切とわかりました。
自身のキャリアの悩みに答えが一つ出たと思います。彼氏と家庭運営についても話します!
ありがとうございました。
とまたみ様
コメントありがとうございます。
この記事は若い方に向けて書いたので、目にとどめていただいてとても嬉しいです。
私はTwitterで転妻さんたちと交流していますが、思っている以上に働いている方が多いです。
以前アンケートを取ったら40人中30人の方が何らかの仕事をされていました。数は多くないですが正社員の方もいましたよ。
いろんな働き方が広がって、昔よりは働ける人が多くはなっていますが、パートナーとの協力関係は大事だと感じています。
>彼氏と家庭運営についても話します!
こちらぜひ実践してほしいです。
また当ブログに遊びに来てくださいね!