コロナ禍における働き方改革で、通勤をしない、在宅の仕事が注目されています。おうちで稼ぐという言葉も流行っています。
「ニューノーマルな働き方」とも言うみたい。
私は、正社員としてフルリモートで働きつつ、副業で在宅ワークをしています。
在宅勤務になって2年半、通勤していた頃には見えていなかったことや、在宅勤務ならではの苦労が分かってきました。
そして、会社員の在宅勤務と、フリーランスの在宅ワークは似て非なるもの、ということも見えてきました。この2つは家で仕事をして対価を得る面は同じです。どんなところが違うのか、または同じなのか、経験をもとにまとめてみました。
こちらはおうちで働く私の、リアルなレポートです。
在宅の仕事がしたい、興味があるという方はぜひ読んでみてください。
どうやって在宅の仕事を見つけるの?
どうやって在宅の仕事に就いたのか、という話を先にします。
正社員の仕事は、狙ってフルリモートの仕事を選んだのではなく、夫の転勤により後天的に在宅勤務になりました。社内には私以外にも在宅勤務している人はいますが、基本的には通勤の会社になります。
コロナ禍でテレワークが広がったので、選択できる会社は増えたのではないでしょうか。
詳しくは⇒ 【実録】転勤族の妻、在宅勤務になるまでの軌跡
副業の方はクラウドソーシングのサイトで案件を探して、自分にできそうな仕事に応募しています。1件だけ継続案件を受注しているので、毎月仕事があります。継続案件以外にも、自分にできそうな仕事があれば都度応募していて、だいたい月2~3件です。
詳しくは⇒ 【会社員の副業図鑑⑧】転妻にもおすすめ、クラウドソーシングで在宅ワーク。
何がちがう?通勤と在宅勤務。
会社員の在宅勤務は、コミュ力が必要。
在宅勤務になってから、通勤していた頃よりも、コミュニケーション能力が必要だと感じています。職場にいれば自然と漏れ聞こえてくる情報が、在宅勤務だと拾うことができないからです。
仕事中、隣同士で席を並べていればちょっとした会話がすぐにできます。仕事以外でも、通勤途中、エレベータの行き帰り、あるいはお昼ごはん時、またはコーヒーブレイクやトイレで、同僚と雑談することで社内の情報が自然に得られます。
在宅勤務者にはこれがありません。自ら情報を拾いに行かなければ世界は閉じられたままです。
コロナ禍で出張ができなくなり、ここ2年の間、一度も会社へ顔を出しておりません。さらに通勤がメインなので、在宅勤務者へのフォローや、マネジメントするノウハウが会社にありません。この状況で他の人と同じパフォーマンスを発揮するには工夫と努力が必要です。
たま~になんですけど、このまま自分は一人取り残されてゆくのではないか?と不安になることがあります。
通勤との差を埋める工夫とは。
私は仕事の半分を社内諜報活動に費やしています。幸いなことに、いろんなセクションの人と関わる職種のため、部門の垣根なく広くやり取りができます。日々、とにかく多くの人にコンタクトを取ります。仕事のついでに雑談することもあれば、子持ちの人なら子育てネタ、食通の人にはグルメネタを定期的に送ります。そこから話が広がっていきます。
「〇〇部門に新人さんが入るのですか?」
この様な質問を投げると何かしら返ってきます。一人だけに聞くのではなく、人事にも聞き、新人が入る予定の部門にも聞きます。情報の裏取りです。
あっちの人にチャット、こっちの人にチャット、そうして得た情報の点と点を繋げて線にする。
意外なことに、皆さんわりと内緒話を教えてくれます。
「私は採用に反対したけど部長がOK出してしまった。案の定、来なくなった(プンスカ)」
「例のプロジェクトは、先方都合でキャンセルになった(シクシク)」
「上司と大ゲンカしちゃった(ヤバイヨ)」
おそらく目の前にいる人よりも、遠くにいる私のほうが愚痴をこぼしやすいのだと思います。最近では、同僚から「【速報】〇〇さん、名刺持たずに新規顧客先へ訪問」のようなネタが送られてくるようになりました。今やオフィスにいる人よりも情報通だと言われています。
日々の諜報活動のおかげで、いきなり舞い込んだ仕事でも、これはあの人が言っていた案件だな?と当たりが付き、スムーズに業務に入ることができます。
簡単なようで簡単ではない探偵業。
一つ注意点があって、それは誰もが諜報活動できるとは限らない、ということです。私が諜報活動できるのは、在宅勤務になる前にオフィスに通勤していて、ある程度人間関係が構築できていたから、というのが大きいです。社歴が浅いうちだったら難しいと感じます。もちろんコミュ力がある人は別です。
フリーランスの在宅ワークは黙々と作業をする人向け。
在宅ワークと言っても、フリーランス(個人事業主)として「しっかり稼ぐぞ、これを生業にするぞ」という人から「すき間時間に仕事がしたい、少額でもいいから稼ぎたい」というライトな人までレベルはさまざまです。
前者の場合は、営業活動や価格交渉などを積極的にするのでコミュ力は会社員よりも必要になるかも知れません。ここではお小遣い稼ぎの在宅ワークを対象に語ります。
受注する案件にもよりますが、基本的に「作業の請負い契約」なので、そこまでコミュ力は必要ありません。質問はすべてテキスト(メール・チャット)で行います。そもそも契約段階で作業内容は提示されているので、不安があれば受注しなければよく、受注したなら後は黙々と作業するだけです。
チャットがメインなので、ビジネス文書の知識すら必要ありません。社会経験がい人が在宅ワークだけやっていたら、社会人としての基礎力が身につかないと思います。
何がちがう?会社員とフリーランス。
勤務時間の縛りの違い。
会社員の場合、始業時間と終業時間が決められています。フレックスを導入しているにしてもコアタイムはあるでしょう。私の場合は8:30~17:30の8時間勤務です。
フリーランスは納期に間に合えばいいので、1日の労働時間に決まりはありません。また月の労働時間も一定ではなく、忙しさは受ける仕事の数や内容で大きく変わります。私の場合、月に30時間以上作業する月もあれば、15分程度しかしない月もあります。
仕事の選択権・拒否権の違い。
会社員には仕事の選択権はありません。上司から依頼されたら引き受けるしかありません。誰か補助を付けて欲しい、期間を延ばして欲しいといった相談はできますが、拒否権はありません。理不尽だと思っても業務遂行するのみです。
フリーランスは、仕事を受けるか否かは自分で決めることができます。ただしやりたい仕事が確実に取れる保障はありません。仕事量も自分で決定できます。今月は本業の仕事が落ち着いているから積極的に受注しよう、来月から子どもたちが長期休みだから少し抑えよう、という調整ができます。
収入の違い。会社員は一定、フリーランスはバラバラ。
会社員は固定給なので、ほぼ毎月手取りに変動がありません。歩合給だったり、残業が多かったりすると違いは出ますが、基本給は保障されています。
フリーランスは、受注数や、単価の違いによって幅が大きいです。私は軽作業しかしない人ですが、それでも月に数百円~数万円の差が出ます。
有給休暇や育児休業の有無。
会社員は有給休暇があります。また出産手当や育児休業手当が貰えます。フリーランスには育休も産休もありません。会社員は産後に働けない期間がありますが、フリーランスには制限がありません。
私は育休を2度取得しましたし、毎年きっちり20日間有休消化しているので、労働者の恩恵を実感しています。
在宅ワークするときに参考にした本。
リモートワーク大全
一日のタイムスケジュール公開。本業と副業のバランス。
私の一日のスケジュールを書いてみました。
我が家では、家事は主に私が、育児は主に夫が担当しています。
- 6:10起床。
トイレ、洗面、着替え。
私は朝食準備、夫は子の世話。
(通勤時代はこの時間に化粧をしていたが、今はナシ) - 6:50朝食&片付け&歯磨き。
食事時間は20分程度。
夫は子の歯磨き、私は食事の片付け。 - 7:30家族が家を出る。掃除。
父子が出勤・登園・登校、家で一人になる。
掃除機かけ、寝具の洗濯や布団干し。 - 7:50始業時間まで運動。
通勤が無いことによる、運動不足を解消。汗だく。
WEB会議が入っている日は化粧をする。
在宅ワーク作業。 - 8:30本業、始業。
業務開始。諜報活動も開始。
- 12:00昼休み。夕飯仕込み、在宅ワーク。
1時間休憩。
昼食を準備するついでに、夕飯の仕込みをすることも。
在宅ワーク作業。 - 15:00おやつ休憩、運動。
5分程度の運動をする。
- 16:30炊飯セット。
お米を炊飯器にセットする。
- 17:30終業。
残業はほぼなし。
夫が遅い日は子のお迎え。そうでない日は休憩時間。
在宅ワーク作業。 - 18:00夕飯準備。子の世話。
私は夕飯準備、夫は洗濯物畳み、子の宿題丸付け。
夫がいない日は、夕飯作りながら宿題の丸付けをする。 - 19:00夕飯、風呂。
夕飯を食べ、片付けをした後、風呂へ。
私は一人風呂、子は夫と入る。
洗濯機を回す。 - 20:30子ども、就寝。
子どもを寝室へ。親のどちらかが一緒に寝ることも。
寝ていない親が洗濯物干し。
在宅ワーク作業。 - ~23:00就寝。
就寝時間は決まっていない。
在宅ワーク作業。と書いてある時間帯に、在宅ワークがあれば作業をします。毎回やっているわけではありません。
納期が厳しい時は、やれる時間帯はすべて在宅ワークしている日もありますし、夜間に頑張る日もありますが、休前日(金・土)に集中してやることが多いです。平日は1日に1時間以内、週に10時間程度におさまるくらいがほどよいと感じています。
おうちで働くあるある!
おうちで働くあるあるを並べてみました。
※ここでは家で働くことを「おうち仕事」と呼ぶことにします。会社員・在宅ワーク両方の仕事を含みます。
その1.ネットがなければただのオバサン。
おうちで稼ぐ=ネット環境必須です。ネットが無いと何もできないただのオバサンです。
転勤時、ネットの工事予約が取れず、1ヶ月ほどネットワーク環境が無い状態に陥りました。急きょ会社からポケットWiFiを借りて何とか仕事をしていましたが、上限値があるのでだましだましでした。途中、契約量を超え、通信速度が遅くなったので容量追加してもらいました。
おうち仕事にとって、ネットは命です。 ネットワーク不通になったらどうするか、あらかじめ手段を考えておいた方がいいです。 レンタルできるポケットWiFiを調べておく、など。
その2.会話に飢える。
家に籠って仕事していると、雑談に飢えます。いくら社内諜報活動として、チャットなり、ビデオ会議なりで同僚と交流していても、限界はあります。
園や学童の送迎もほぼ夫が対応しているので、平日は一歩も外出しない日があります。家族以外、誰とも接触しません。運送会社さんと生協の配達員さんだけが心の支えです。
幼馴染とたまにLINE通話したら、嬉しくて超長電話になってしまいます。人間はつくづく社会性のある生きものなんだなぁと感じます。
その3.身なりを気にしなくなる。
おしゃれに興味がある人は大丈夫だと思います。在宅仕事でもちゃんと整えていることでしょう。問題なのはファッションに疎い場合。ますます疎くてダサくなります。
上半身だけ着替えて下半身パジャマならいい方で、ずっとパジャマの日もあります。私は肌が弱いので、化粧はビデオ会議が入っていない限りしません。コロナ禍でマスク生活になっているのも後押ししています。宅配便が来てもマスクで対応するので、自然と化粧しなくなりました。
その4.子どもの「う〇ちでた」で会議中断する。
緊急事態宣言による臨時休園、休校、あるいは単に風邪気味、または園に入れなくて、などの理由で子どもと一緒にテレワークを何度もしていますが、だいたい事件が起こります。
一番辛かったのが、ビデオ会議中に子どもがトイレで大をして「うんちでた~」と呼ばれたこと。すぐに対応できずにいたら、子どもの声がどんどん大きくなり「おかぁーさーーーん、う・ん・ち、でたーーー!」と絶叫され、会議中断しました。
このような事件は全国のテレワーク with kids. で起こっていることでしょう。
おうちで働くとココが楽、ココが大変。
おうちで働くメリット・デメリットについて書いています。
※ここでは家で働くことを「おうち仕事」と呼ぶことにします。正社員の仕事、在宅ワーク両方を含みま す。
〇:夜間や早朝対応が可能になる。
私の本業は皆がいない時にやる作業がたまに発生します。サーバー作業というやつです。誰か一人でも触っていると実行できません。これまでは休日出勤をしたり、些細な作業であっても業者へ依頼したりしていました。
休日出勤する場合、園や学童も休みなので、不定休の夫に休みを調整してもらう必要があります。業者へ依頼する場合は、コストの問題もありますが、何より指示依頼書を作成するのが面倒です。自分でやれば1時間もかからない作業なのに、他人の手を借りると倍以上の手間がかかる。それが、いつでも自宅から会社環境へ入ることができるので、平日の早朝や夜間に作業できるようになりました。
またトラブルが発生した時も即時対応ができます。基本的には勤務時間外は対応しませんが、全社ストップするような案件は対応しています。
〇:時間を有効活用できる。
おうち仕事はすき間時間を有効活用できます。
私が受注している在宅ワークは、軽作業が多いです。子どもたちが寝てから、または子どもたちがいない平日のお昼休みなど、すき間時間に作業ができます。細切れに10分程度でも充分です。
出勤する仕事だと、外出準備や通勤時間があるので、どんなに短く見積もっても1時間~2時間とまとまった時間が必要になります。在宅での仕事なら15分ほどの細切れでも作業が可能です。
〇:家事と同時並行できる。
おうち仕事は家事をしながらできます。
雨が降りそうになったら洗濯物を取りこむことができます。宅配便の受け取りもできますし、昼休みに夕飯の仕込みができます。通勤時間が無いので、始業前に自宅の掃除を済ませることができますし、終業後、子どもたちを迎えに行く前に炊飯器のセットもできます。
とにかく主婦にはありがたいです。
〇:帰り道についで買いをしないから、お金が貯まる。
通勤時代、自分の通勤経路に月ごとに店が変わるスィーツ店(マンスリースィーツ)がありました。しかも3店舗も。駅ナカにはスープストックトーキョーや、カルディなどもありました。さらに百貨店、コンビニ、ドラッグストアもあり、誘惑が多いのなんのって。マンスリースィーツは月が替わるとチェックしてしまうし、疲れからお惣菜を買ったり、ドラッグストアに寄って不必要なものを買ったりしていました。
在宅勤務になってから寄り道買いがなくなったので、無駄遣いが減りました。お財布を開く機会が無ければないほど、お金は貯まります。
(経済に貢献していないという意味ではマイナスですが)
〇:病児対応しながら仕事ができる。
子の病気で登園できない場合、通勤時代は仕事を休むしかありませんでした。社内はもちろん、他社との打ち合わせが入っているとリスケが発生し、関係各所への調整が大変でした。
おうち仕事だと、子の看護をしながら仕事ができます。子の病状に合わせて、仕事したり看護したり、午前休や午後休を利用して柔軟に対応可能になりました。
0か1かじゃなく、働ける時は働く、ができるのが良いところです。
×:太る。とにかく太る!自分との戦い。
在宅勤務になって一気に太りました。家にいると人目を気にせず好きな時間に好きなものが食べられるという食いしん坊特有の理由もありますが、単純に運動不足で太ります。
通勤していた頃は、子どもを保育園に送り、駅に行き、階段の上り下りをし、駅から会社まで歩くので気付かぬうちに運動になっていました。これが在宅勤務になるとほとんど歩かなくなります。自分で意識して運動する時間を設けないとすぐに太ります。
始業前に40分、午後に5分、寝る前に6分、運動をしています。これくらいしないと体重を一定に保つのが難しいです。通勤は自然なダイエットになっていたのだな、と分かりました。
×:地域の友人・知人ができない。
私は転勤族の妻です。帯同しながら働けるので在宅勤務はありがたい制度ですが、地域の知り合いができません。子ども関係で少し話す程度の人はいますが、毎日顔を合わせるわけではないので、深い交流にはなりません。
友人・知人を作りたいなら、その地域で就労するのが一番だと感じます。
×:家で働く人がいると、家族が休まらない。
夫はシフト勤務で、平日に休みがあります。私がリビングで仕事している日は、夫は別の部屋で過ごしています。彼はアウトドアが趣味なので、フラっと釣りに出かけたり、ドライブしたりしてリフレッシュしているようですが、逆の立場(夫が在宅勤務で私が通勤)だったら、インドア派の私は気が休まらなかったかも知れません。
また、家の中に仕事スペースを設置するので、どうしても場所を取ります。仕事の道具は一か所にまとめておく、子どもには仕事スペースに立ち入らないように言い聞かせる、離席時は画面OFFにして家族が情報を見ないようにする、などの配慮が必要です。
家族へのフォローは必要です。
在宅ワークするときに参考にした本。
リモートワーク大全
まとめ。
家で働いていると言うと、羨ましがられることが多いのですが、私は可能なら2週間に1回程度は通勤したいです。同僚とは定期的にオンラインでランチ会をしていますし、チャットも頻繁にしていますが、いくらオンラインで交流をもっても、リアルで交流するのとは違います。2年前に出張した時、久しぶりに同僚たちとご飯に行きましたが、楽しくてしかたなかったです。交流に飢えているんだな~と感じました。
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