絵本が好きな人なら一度は読んだことがあるであろう、島田ゆか先生のバムとケロ。いぬのバムとカエルのケロが活躍する人気のシリーズです。本筋のストーリーも面白いのですが、その裏に隠されたサイドストーリーがとにかく秀逸です。
絵本の裏で展開されている小さなキャラクターたちの動きを追っていくと止まりません。
こちらではバムとケロシリーズ、そして姉妹作品であるかばんうりのガラゴシリーズについてファン目線での見どころを書いてみました。
話の本筋には触れていませんので、ネタバレが心配な人でも大丈夫です。
バムとケロとは?基本情報と公式サイト。
バムとケロの作品基本情報。
絵本作家、島田 ゆかさんの作品です。
作・絵 島田 ゆか
公式サイトより(https://www.bamkero.com/)
東京デザイン専門学校グラフィックデザイン科卒業。
食品のパッケージデザイン、書店アルバイトなどを経てフリーに。カナダ、オンタリオ州在住。
公式サイト:https://www.bamkero.com/
主要キャラ:
・バム … いぬのキャラクター。しっかりもので、キレイ好き。かいがいしく家事をしています。
・ケロ … カエルのキャラクター。いたずらっ子で食いしん坊で、4歳児くらいの子のイメージです。
サブキャラ:
・かいちゃん … あひるのキャラクター。天体観測が趣味で、初登場は池で凍っていました。バムとケロのさむいあさからレギュラー入りし、その後の作品には毎回登場しています。
・ソレちゃん … バムとケロのもりのこやで登場します。なんでもやということで、大工仕事もパン作りも得意です。ハイチソレノドンという動物のキャラクターのようです(⇒Wikipedia)。
これまで5作品が発表されています。
※絵本ナビさんのサイトで絵本の試し読みができます。
バムとケロのそらのたび
バムとケロのさむいあさ
バムとケロのおかいもの
バムとケロのもりのこや
ココが面白い、バムとケロの世界観。
バムとケロのシリーズ、何が面白いかと言えば、話の本筋とは関係ない話が、絵本の後ろで行われていることです。そして全てのモノに動きがあります(一見生きていないと思われるおもちゃが、実は生きていて動きがあります)。
小さなキャラクターたちの動きに目が離せない。
・ヤメピ … バム、ケロと同居している小さい犬。「ヤメピのすべて」という本をバムとケロのおかいもので買います。
・おじぎちゃん … 3本耳のうさぎ(?)。絵本をよく見ると「おじぎ」という名前であることがわかります。作中に「おじぎちゃんすごろく」なるおもちゃが登場しています。
・モル … 名前が分が分からず、もぐらくんと呼んでいましたが、調べたところ「モル」という名前のようです。ケロちゃんたちと行動を共にしているモグラです。背中にケロちゃんの絵を描かれてしまったことがあります。もちろん描いたのはケロちゃん。
とくにおじぎちゃんとヤメピはだいたいどのシーンにも登場しています。姉妹作品のガラゴのシリーズにも登場します。
・いまちゃん … いまがわやき風の帽子(?)をかぶった小さい白いいぬ。いまがわやきのいまちゃんというらしいです。持っている鞄もいまがわやきの形です。
表のストーリーとは別に、裏に隠れたストーリーがある。
表のストーリーはそれはそれで魅力的で面白いのですが、裏に隠れたストーリーがあるのが島田作品の特徴です。
その1:よく見たら違う!
(例)後ろにかかっている写真、よく見ると動いている。同じ作品内でも動いているし、別のシリーズを見ても動きがある。クリックすると拡大します↓。
よく見たら違うシリーズは他にもあります。
などなど。
その2:小さなキャラたちの物語りがある!
メインキャラであるバムとケロのお話が進行している裏で、小さなキャラ達が面白い話を展開しています。
バムとケロのおかいものでは、バム・ケロ・かいちゃんがお買物をしている中、裏ではヤメピたちの物語りが進行しています。
1.ねずみくんが買ったソフトクリームを見ているヤメピ。
2.自分もソフトクリームを買う。
3.運んでいる途中、転んでソフトクリームを落としてしまう。
4.空になったコーンを見つめるヤメピ。なんとも切ない顔。
クリックすると拡大します↓。
しかもお話はこれだけでは終わりません。これから読む方もいると思うので内容は隠しておきます。読んだ後、「開いて続きを読む」からチェックしてくださいね!
5.かわいそうに思ったのか、おじぎちゃんがヤメピに甘栗を買ってあげる。通常袋入りで販売されているが、ムリを言って「2つぶください」と指を二本立てている。
6.ヤメピとおじぎちゃんが甘栗を食べているのをいまちゃんがおいしそうだなぁと言わんばかりの顔で見ている。
7.帰るシーンで、いまちゃんの頭に甘栗の袋が乗っている。
ここまでのお話が本編とは関係なく、裏で静かに進行しています。一場面、一場面丁寧に書かれています。それぞれの場面でキャラたちが別々の動きをしていて、通して見るとああそうか!と繋がりが見えてきます。
絵本なのに、間違いさがしをしているような気分になれます。是非いろんな発見をしてみてください!
やみつきになりますよ!
シリーズを通して曜日が覚えられるようになっている。
どの作品も「〇ようびのあさ~」といった文言から始まります。
いっしゅうかんのまんなか、すいようびのあさ
バムとケロのおかいもの
シリーズ一作目の「バムとケロのにちようび」は日曜日のお話。
シリーズ二作目の「バムとケロのそらのたび」は月曜日のお話。
シリーズ三作目の「バムとケロのさむいあさ」は火曜日のお話。
シリーズ四作目の「バムとケロのおかいもの」は水曜日のお話。
シリーズ五作目の「バムとケロのもりのこや」は木曜日のお話。
きっと次に出る作品は金曜日のお話になるのではないでしょうか?楽しみですね。
シリーズ同士・姉妹作品とリンクしている。
バムとケロのシリーズに姉妹作品のかばんうりのガラゴが登場しています。また逆にガラゴのシリーズにバムとケロが登場しています。サブキャラたちも登場します。
バムとケロに登場するガラゴの例
・バムとケロのそらのたび:むしがうじゃうじゃいるりんごのトンネル内に、よ~く見るとガラゴがいる。
・バムとケロのおかいもの:ヤメピのリュック、よ~く見るとガラゴのマークが付いている。
・バムとケロのおかいもの:ガラゴで登場するキャラクターたちが商売をしている。
・バムとケロのもりのこや:終盤のページで、ガラゴがやってきたことが分かる。
・バムとケロの部屋にある、写真立てにガラゴが写っている。
・バムとケロのお風呂に、ガラゴ型の置物が置かれている。
ガラゴに登場するバムとケロの例
・かばんうりのガラゴ:ケロちゃんに似たカエルがかばんを買いにくる(ケロちゃんのお母さんだと思われる)。
・うちにかえったガラゴ:最終ページで、バムとケロがガラゴの家を訪問する。
・ガラゴのポストに、バム・ケロと書かれた手紙が入っている。
・ガラゴの部屋に、バムの形をしたうちわが置いてある。
・バムとケロのおかいものに出て来るキャラたちが、ガラゴの絵本では名前入りで登場する。
まだまだ書ききれないくらいリンクしています。登場しても名前が本文中には出てきません。コッソリいる感じがまたいいです。
姉妹シリーズ、かばんうりのガラゴとは?
かばんを売って歩いているガラゴのお話です。
バムとケロと世界が繋がっていて、後ろにいる小さなキャラクターは同じ子たちが登場しています。
主要キャラ:
・ガラゴ … ショウガラゴという動物のキャラクター。ガラゴって聞きなれないなぁと思って調べたら、サル科の動物に「ショウガラゴ」という動物がいました(⇒Wikipedia)。
これまで2作品が発表されています。
※絵本ナビさんのサイトで絵本の試し読みができます。
うちにかえったガラゴ
ガラゴのシリーズは、あらゆる場面にガラゴを模したグッズが登場します。
例)お風呂の洗い桶、マグカップ、かばんに付いている留め金
これらのものがすべてガラゴの表情に連動して動きます。それを見つけるのが面白いです。
もちろん、バムとケロのシリーズと同様、ガラゴのシリーズも後ろで小さなキャラクターたちがいろんな物語りをつむいでいます。
見つけるのが楽しい!!
まとめ。
いろいろ書きましたが、とにかく一度は手にってみて欲しいシリーズです。
我が家では最初は普通に読んでいたのですが、後ろにかけられた写真が動いていることに気付いてから、いろんな仕掛けに気付きました。小さなキャラクターたちの動きに注目していると、また別の発見をするという、何とも楽しい時間が過ごせました。
あれ?これ動いてない?
あ、この子が食べたんだ!!
こどもたちと一緒になって謎解きし合ったのは良い思い出です。
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