かばんうりのガラゴ、ストーリーの裏で展開される仕掛け紹介。

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島田ゆかさんの絵本について、深く探るシリーズ。その2です。
今回は「かばんうりのガラゴ」について掘り下げました。
その1は関連記事を参照ください。

島田ゆかさんの作品は、メインのストーリーが進行する裏で、小さなキャラクターたちがいろんなお話を展開させているのが特徴です。絵本の随所に仕掛けられたお話を、ひとつずつ見つけていくのが楽しいですね。

話の本筋には触れず、仕掛けについて探求しています。
バムとケロシリーズとのつながりも説明しています。

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かばんうりのガラゴとは?

主人公:

ガラゴ
ⒸYuka Shimada./Bunkeido

・ガラゴ … ショウガラゴという動物のキャラクター。ガラゴって聞きなれないなぁと思って調べたら、サル科の動物に「ショウガラゴ」という動物がいました(⇒Wikipedia)。

サブキャラ:

『かばんうりのガラゴ』では名前が付いたキャラは登場しません。2作目の『うちにかえったガラゴ』のほうでは、名前付きで何名かのキャラが登場しています。

小さなキャラクター:

バムとケロのシリーズにも登場している小さなキャラクターたちが、ガラゴのシリーズにも登場します。

・ヤメピ(小さな白い犬)…バムとケロシリーズ全部に登場。この子はバムとケロと同居していると思われます。
・おじぎちゃん(三本耳のウサギ)…バムとケロシリーズ全部に登場。ガラゴのシリーズでも活躍。
・モウ(ねずみ)…バムとケロのさむいあさ、バムとケロのおかいもに登場。
・いもむし…赤色のしましまのいもむし。名前は不明。バムとケロのシリーズにも登場していますが、ガラゴのシリーズの方ではガラゴの相棒として登場しています。

小さなキャラクターについては下記の記事を参照ください。

かばんうりのガラゴに隠されたストーリー。

ケロちゃんのお母さんが登場している。

バムとケロのシリーズに登場する、主要キャラ、ケロちゃんの母親(あるいは父親)と思われるカエルがかばんを買いに来ます。

私は最初、ケロちゃん本人だと思っていました。しかしよ~く絵本を見ると違いました。」

考察ポイント

・カエルは、こどもたち(おたまじゃくし)をつれて歩けるかばんを買いに来た。
・おたまじゃくしを入れて歩けるかばんをガラゴが提供する。
・一匹のおたまじゃくしがガラゴを気に入ってしまう。
・ガラゴを気に入ったおたまじゃくしは、そのままガラゴのもとに残される。

というところで、絵本の裏表紙を見ると、おたまじゃくし用のスイカ(水槽)にガラゴが字を書いています。
「Kero’s House」
と。

ケロズハウス
ⒸYuka Shimada./Bunkeido

これで決定しました。おたまじゃくし=ケロちゃんです。

そしてバムとケロの部屋には、おたまじゃくしと一緒にガラゴが写った写真が飾られています。

ここから、ガラゴはケロちゃんの育ての親ではないか?と推測できます。

スイカをこっそり拝借するカブトムシ。

表でガラゴのお話が進行する中、スイカを盗むカブトムシが登場しています。

ガラゴがお客さんからスイカを貰います。お昼にさっそく食べていると、後ろからそ~っとカブトムシが降りてきます。

・スイカを食べているガラゴ、木に止まっているカブトムシ。
・お腹いっぱいになったガラゴ、木から降りてくるカブトムシ
・お昼寝の準備をするガラゴ、忍びよるカブトムシ。
・お昼寝するガラゴ、スイカを角に刺して持ち帰るカブトムシ(下図)。

カブトムシ
ⒸYuka Shimada./Bunkeido

これが丁寧に丁寧に描かれています。
絵本の本文ではガラゴの行動しか書かれていませんので、絵をじっくりみないと気づきません。

スイカを巡る戦い。

いもむしくんとおじぎちゃんがスイカを巡って攻防戦を繰り広げています。
お客さんに貰ったスイカを、ガラゴが自分用といもむしくん用に切り分けます。

・いもむしくんが寝ている間に、いもむしくんのスイカを食べているおじぎちゃん。
・おじぎちゃんに抗議するいもむしくん(下図)。
・スイカのヘタをくわえて、おじぎちゃんからスイカを避難するいもむしくん。
・それでもあきらめないおじぎちゃん、スプーンですくって盗み食い。
・サングラスを貰ってご機嫌ないもむしくん、堂々とスイカを持ち帰るおじぎちゃん。

バトルしている2匹。
ⒸYuka Shimada./Bunkeido

これまた丁寧に一場面ずつ描かれています。
本文では相変わらずガラゴのことのみ書かれていて、バトルには触れられていません。

ガラゴの表情と連動して動くモノたち。

ガラゴの持ち物は、大抵ガラゴの顔を模したものになっています。例えばマグカップがあります。

ガラゴが眠そうな顔をすると、マグカップのガラゴも眠そうな顔になっています。ガラゴが寝ると、マグカップのガラゴも寝ます。

ガラゴに連動して動いているので見ていて面白いです。

ガラゴが持っている水色のスーツケースも、ガラゴとおそろいの長靴を履いています。寝る時、ガラゴはルームシューズに履き替えるのですが、スーツケースもちゃんとルームシューズを履いています。この辺りは非常に芸が細かいです。

他にもいろいろな仕掛けがあります。
ネタバレしてもいい人は、クリックしてみてください。

・ガラゴが読んでいる絵本のリンゴの位置が微妙に動いている。
・写真の中にいるバムが夜になると寝る。
・冒頭に登場しているペンギン(易者)が、「バムとケロのおかいもの」に登場している。
・お客さんとして登場するゾウの店が「バムとケロのおかいもの」に登場している。
・ゾウは「バムとケロのもりのこや」にも登場する。
・ウサギから貰ったかばんが「いえにかえったガラゴ」で、壁に掛けられている。

たぶんまだまだ仕掛けはあると思います。

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