赤ちゃんと言えば、ちぎりパンみたいな腕に、お顔は力士のようなふくよかな頬をしているのをイメージします。つまり太っている。大人が太っていると問題ですが、赤ちゃんの場合は太っていることは良いことです。通常ではありえない部位が太っている赤ちゃんもいますよね?足首の上とか。実にかわいらしい。
しかし中には太らない子というのがおりまして。我が家の長男なんです。
一カ月検診で早くも体重不良を指摘され、大幅に正常値を下回ったまま赤ちゃん時代を過ごしました。
ネットやSNSで検索すると、早産や多胎で低体重で生まれた子の話は豊富に見つかりますが、生まれた時の体重が正常値の子で、その後増えないパターンの低体重児(発育不良児)の話はあまり見かけません。
と言うことで、体重がなかなか増えない赤ちゃんの話を書いてみることにします。
体重不良に悩まされた3年間の記録
体重不良を指摘されて、3年間通院していたけれど、結果的に何の問題も無かった、ということを先に書いておきます。要するに体質です。経過を読むのが面倒な人は、太らない赤ちゃんの特徴まで飛ばして読んでください。
妊娠から出産まで
妊娠経過はすこぶる好調でした。つわりも周囲の話を聞いていると軽い方だったと思います。仕事もぎりぎりまでしていました。
予定日より5日早くに生まれました。出生時の体重は2,630gで、小さ目ですが、正常範囲内の出生体重です。
出産したクリニックがミルクのミの字も言い出せないような、母乳推奨のクリニックだったため、私も単純に洗脳されてしまい…、と言うと語弊があるので言い直すと、世の中そういうものなのかと、母乳で育てることにしました。
後から思うと、これが間違いの元だったのかも知れません。
(もうこの時、悲劇は始まっていたのです…)
1ヶ月検診で体重不良を指摘される
里帰りしていたので、家事を全て親に任せ、私は赤ちゃんの世話をひたすらして過ごしました。そして迎えた検診日。
「体重が少なすぎる。1日に33g以上増えているのが理想なのに、この子は20gも増えていない」
と言われました。
1ヶ月で出生体重の1kg=1,000g増えているのが平均的なのだそう。それが長男の場合、590gしか増えていなかった。日数で割ると1日に20gも増えていない。これは危険なレベルだと言うのです。
この時に言われた指摘が、その後も新米ママの私を苦しめました。
「体重が少ない」は呪いの言葉です。
生後3ヶ月、体重チェックのため、通院開始。
里帰り先から夫婦の家に戻り、近所の小児科へ行ったら、そこでも体重不良を指摘されました。
「定期的に通って体重を見せて」
まぁ小児科ですから当然と言えば当然です。それから3年間の通院が始まりました。
体重チェックは、単純に体重を測るだけなので、やることは医師以外でも出来そうな感じです。体重を測るのは看護師さんなので、先生は何もしません。前回の結果と今回の結果を記録するだけ。しかし定期的に見せに行き、経過を観察してもらうことに意味があると思っていました。
経過を見ている最中で、問題があれば別の病院に繋いでもらうなどの医療的なメリットはもちろん、母親である私の安心のために通院していたように思います。
よその赤ちゃんとの出会い。
2ヶ月、3ヶ月と進む頃に支援センターデビューを飾るわけですが、そこで私はよそ様の赤ちゃんの大きさを知りました。
うちの子は体重が軽いと言っても、ガリガリではないのです。大人からすれば充分丸みを帯びている。しかし、世間の赤ちゃんたちは違う。大人で言えば、巨漢も巨漢、完全なる肥満と呼べるレベルで太っている!!
そうか、赤ちゃんはまるまると太っているものなんだ…。
それまで赤ちゃんと身近に接する機会が無かったので、自分の子が小さい、細身の赤ちゃんだと気付きませんでした。
完母から混合へ?
前述の通り、母乳推奨クリニックで出産したせいか、私の脳には母乳信仰が植え付けられていました。ですので生んだクリニックでは、体重不良を指摘されてもミルクにしろとは言われず、とにかく飲ませよと言われました。
しかし近所の小児科では「ミルクを足せ!」と言われてしまいます。
そこで保健師や、支援センターの先生、助産師さんに相談をするわけですが、これがまぁ人によって意見が違う。
ミルクだ!とにかくミルクを足せ!太らせろ!
赤ちゃんの様子を見て決めたらどうかな?
おっぱいのマッサージで母乳量を増やしましょう。
ミルクは必要ないですよ。
母乳洗脳が完全に解けていないため、ミルク足さなくていいよ派に最初は傾倒します。自分の欲しい言葉を信じてしまうってやつです。
それで産後3ヶ月間は一滴も母乳以外をあげませんでした。ミルクもですが、白湯などもあげていません。100%、母乳のみ。
小児科の先生の指摘を受けて、3ヶ月を過ぎたあたりからミルクをあげました。母乳とミルクは9:1くらいの割合です。
同時期、母乳の出をよくするため、助産師によるマッサージを受けに行きましたがそちらの先生はミルクはあげないで!と強弁に言われるため、小児科医と助産師の間を取って、1割程度ミルクをあげるになったのです。
新米ママは優柔不断です。専門家の間で右往左往しておりました。
母乳に限らずなんですが、育児・子育て界隈は専門家の意見が割れます。それでますます母親は苦悩するという負のスパイラル!
専門家による新米ママ洗脳の話は下記参照。
夜間強制授乳の開始。
長男は3ヶ月過ぎから夜まとまって寝るようになりました。朝までノンストップで寝るタイプです。まったく起きない。
母乳推奨派の助産師さんにはそれがダメ!と言われました。母乳の生成量が落ちることと、赤ちゃんの飲む機会が減ることの2つで体重が増えないと。
そんなわけで、息子はスヤスヤ寝ていても、母親の私は携帯のアラームをセットして、毎晩せっせと授乳しました。赤ちゃんて不思議なもので、寝ていても飲みます。げっぷは縦にして出そうなら出させ、出なければそのまま寝かせていました。
6ヶ月、離乳食開始で巻き返しを図る。
開始から初期・中期・後期と順調で、離乳食をよく食べました。
離乳食に関しての悩みがあるとすれば
作っても作っても足りない
ということだけです。
離乳食が始まると、ママ友との会話は離乳食の悩み一色で覆われます。私が親しくしていたママ友のお子さんは、特に食べない子で、さらに大のおっぱいマンでした。
「何をどれだけ工夫しても食べないの」
「よく食べるね。いいなぁ」
長男の食べっぷりを見て、ママ友が嘆くように言います。彼女は彼女で悩んでいたのでしょう。でもその食べない子は、我が子より大きく成長しているのです。
複数の親子で集まって食事すると、大抵最後まで食べているのはうちの子でした。他のママ同士で離乳食問題について議論している中、私は口を挟むことが出来ません。
「いやぁ、困るよね!作っても作っても食べちゃうから自転車操業だよね!」
などとは、とても言えない。
一番食べている子が一番小さい事実に遭遇するたび「食べなくても大きく成長出来ているんだから良いじゃないの」と少々嫌みなことを考えている自分がおりました。なかなか病んでいましたねぇ。
太らない赤ちゃんの特徴
体重不良とは?太らない子の体重記録。
こちらが我が子の体重記録です。
月齢 | 体重(g) |
---|---|
0ヶ月 | 2,630 |
1ヶ月 | 3,220 |
2ヶ月 | 4,000 |
3ヶ月 | 4,500 |
6ヶ月 | 6,120 |
8ヶ月 | 6,840 |
12ヶ月 | 7,190 |
1歳2ヶ月 | 7,790 |
1歳7ヶ月 | 8,550 |
2歳0ヶ月 | 10,810 |
2歳6ヶ月 | 11,800 |
3歳0ヶ月 | 12,690 |
母子手帳の中に「乳児身体発育曲線」という表があります。発育曲線と呼ばれるものですが、色付きの帯の部分に全体の94%の子が入ると言われており、我が子は2歳までずっと枠外でした。
2歳で成長曲線内に。体重が増えなかった理由。
2歳頃に成長曲線内に入り、3歳の誕生日で通院終了となりました。結論としては体質でした。
ただし1つの可能性として、母乳信仰により、新生児期にミルクをあげなかったことも原因としてあるのではないかと私自身は思っています。
比較的小さめに生まれているので吸い込む力が弱く、飲んでいる最中に力尽きて寝てしまいます。母乳が安定するまではミルクを半分くらい足しておき、体力がついてきてから完母に移行する方が、長男には合っていたかも知れません。
次男については最初にジャンジャンミルクをあげて、新生児期を過ぎてから完母にしました。次男も軽めの体重でしたが、指摘を受けるほどではありませんでした。
以下、関係各所で聞いた体重が伸びない子の特徴です。
3つ全部当てはまっている!
うちの子はじっとしている時間がありません。常に動いています。場所見知りや人見知りが無いので、支援センターに行っても、積極的にハイハイして好きなものを追い求めて遊んでいました。放置していたらどこまでも行ってしまうので、歩けるようになると大変でした。
便については、新生児の時期を過ぎてからも1日に5~6回、離乳食スタートしてからは4回、11ヶ月頃になっても3回はしています。食べちゃ出すの繰り返しです。これは親の遺伝もあるそうで、よく考えると私たち夫婦も便秘知らずの体質です。
そして最後の親の体格については、私が小柄です。細身では決してないですけども。
まとめ
結果的には大きな問題が無かったわけですが、通院中は常に悶々としていました。
少しでも体重を落として欲しくないので、食事はとても気を使いました。共働きで余裕はないものの、朝からきちんと作り、それなりのものを用意して食べさせていました。
「うちの子食べないから。朝はヨーグルトだけだよ」
「うちも~。バナナも食べればいいほう」
なんて会話を聞こうものなら、そんな朝食では餓死してしまう!!と思ったほどです。しかしそう言っているママのお子さんは、立派なちぎりパンの腕を持っていて、どうやったら太れるのか不思議で仕方なかったです。
もしお子さんの体重不良で悩んでいる方がいれば、念のため通院して経過を医師に診てもらいましょうということはお伝えしたいです。
赤ちゃんのためにも、自分の安心のためにも。
以上、太らない赤ちゃんの通院記録でした。
コメント
新生児の体重不良についての情報が少ないので、とても参考になりました。
2人目の生後3週間の子が先日健診で体重不良を指摘されました。
出生体重は2800gです。
あと一週間で生後1ヵ月なのに、出生体重からまだ+370g程です。
1人目のときは順調に肥え、2人目も腕や頬がぷにぷにしてきたなあと思っていたところなので、健診で指摘されるまで寝耳に水でした。
ミルクは足さずに授乳していますが、先にミルクを与えて体力ついたところで完母に移行するという方法も良いですね。
とても参考になりました。ありがとうございます。
マサカ様
コメントありがとうございます。
赤ちゃんの体重が増えないと心配になりますよね。
私も健診で指摘されるまで順調だと思っていたので、先生に言われてびっくりしてしまいました。
私は書いております通り、母乳洗脳にかかっていたのでミルクになかなか移行できず、体重の伸び悩みに苦心しました。
完母にこだわらず最初は混合にしておき、体重が順調になってから母乳へ移行すれば良かったと、今になって思います。
参考になったとのこと。幸いです。